『より良い外国語学習法を求めて』要約

『より良い外国語学習法を求めて』

第2章 12才では遅すぎるのか(臨界期仮説について)

言語獲得の臨界期仮説
乳児期から思春期(11~12歳)までの成熟期間を過ぎると,母語話者並みの言語を獲得できなくなるという年齢限界があるというものだけど、反証も多いため“仮説”とされている。
色々な研究があるが、臨界期をすぎると完全に習得できないから諦めようという話ではなく、母語話者と同レベルになるのは困難というもの、更には、全てにおいて困難ではなく、発音では45%の人が習得できるなど、能力によっても異なり、個人差もある。簡単に言うと“the earlier, the better”だけど“practically impossible”ではないことが事実と認められている。

年齢以外の要因
Bongaerets:高い動機づけ、社会的必要性
その他学習方法、適正、情緒など
Flege:学習している言葉を使用しなければいけない環境がどの程度あるのか、母語を使用できる環境がどの程度あるのかといった、言語使用環境が重要な要因

第3章 学習方略とは何か

方略は明確なものや良い悪いではなく、学習に役立つ可能性があるものを指す。

方略は教えることができるのか?

・訓練方法を上手く確立できれば可能
・いったん身にいた方略は長期間使用される可能性もある

方略はどんな人からデータを集めるのか?

一般的な学習者と特異な学習者を分ける

特異というのは「例外的高度外国語学習能力保持者(ETLL)」(大人の全人口の5%程度と言われる)→言語に関する記憶力がすごい、規則の把握も速い、意味より形式に注意が向く、複数言語を短期で習得できる、教室でも自然環境でも環境に左右されない、左脳への側頭化が進んでない→空間認識能力が著しく劣ってる場合が多い。地図読めない、新しい道覚えられない

ETLLだけでなく早期学習者も除く

11~12才頃から外国語学習を始め、現地にいたことも、家庭で使うこともなく、自分で頑張って高度な外国語力を身に着けた人を対象とする。“高度な”はテストの成績や実務での運用能力などが含まれ、程度の差がある。

第4章 先行研究の示すもの

『私はこうして~語をマスターした』的なものも多いが、北米ではこうした個人が自分で経験を語るものは少なく、研究者が学習成功者の記録を集めて分析・比較することが多い。

学習方略の種類や分類がいろいろある。

性別・性格・環境で選択する方略は異なるのではないかと考えた。

女性は形式よりも情報伝達を好む、外向的な人は人との交わりを大切にしながら学習のフラストレーションを上手に管理している。(直感通り)

EFLの場合、好きで有効でも使用頻度を上げていない、上げられていない。

英語をESL(English as a Second Language)として学習するか、EFL(English as a Foreign Language)として学習するかの違い。ESLとは第二言語としての英語という意味で、その国で英語が公用語として扱われていることを意味する。(インドやフィリピンの英語との付き合い方)一方、EFLとは外国語としての英語という意味で、日常生活では英語は使わずに、外国人とのコミュニケーションが必要なときにのみ国際語共通語として英語が扱われていることを意味する。(日本や中国、韓国の英語との付き合い方)

第5章 大学生の学習記録が語るもの

英語専攻の4年生153名、女性のみ

上位の人はレポートの記述量が2倍と多く、自分がどのような学習方略を使用してきたのかを十分に認識している。記述内容も具体的。「伸びない時期も我慢した」という記述から、学習過程への意識も高い。方略の訓練を受けてないと思い出すのは難しいと言われるが、思い出せてる。

上位群について、

共通しているのは、最初はとにかく触れる、使う、次に計画的に使う、最後は使わざるを得ないような状況に自分を置く。メタ認知ができていて、定期的に対象言語と触れる、これを計画的に実行している。

目標を5~10年の中長期とからめてたり(英語教師になりたいなど)、3ヶ月や1年といった中期、目の前の隙間時間で何をするという短期で決めている。また、資格試験の点数などを目標の達成度を測っている。(この辺はthe courageでの方法がとても有効に感じる)

リスニングについては「深く聞く」から「広く聞く」へ移行していく傾向がある。ディクテーションで一字一句という聞き方が初期で、徐々にあらすじを捉えるような聞き方に変えていく。

リーディングについては「声に出して読む」から「分析的に読む」へ移行。音読では暗記するくらいで、分析的には受験勉強のようだが、それでも仕組みがわかり分析すればどんな文も読めるのだと自信がついたという肯定的な記述が多い。最近の活動としては興味のある題材を大量に読む、そして知らない単語は飛ばして推測する、繰り返し出てくる語句だけ辞書を調べるなどの傾向がある。

スピーキングについては構文暗記がカギ。初期から中期には基本表現・構文を徹底的に暗記したという記述が多く、音源のマネだけでなく、文字として書いたという手順のものも相当数いた。パタン・プラクティスとして、単語の入れ替えをして繰り返し読むという記述も。中期以降になると、目についた人や事物を説明する、独り言を言い続ける、話す内容を考えておいてそれを利用して会話をする、少し難し目の表現をわざと使う、うまく表現できなかったことをメモして後で調べるなどの記述が増える。

発音については、初期ではよく聞き、まねする。まねは録音して修正する。これは上位群の8割程度で同様の記述あり。中期以降はリピーティングやシャドーイング。やはり録音修正、意識的に手本に近づける。

語彙については声に出して、書いて覚える。単語だけでなく文で覚える。文で覚えることで使い方も把握、会話でも使える、という発信を意図した記憶を心がけている。繰り返して声に出す、繰り返して書くというものが多く、最近利用の方略としては興味分野の単語を覚える、反対語や関連後も覚えるというネットワーク式の語彙増強の記述もあった。

ライティングの記述は少なかったが、「日記」と「気に入った文を真似て書く」があった。日記は書く機会を増やすという意味で有効。エッセイのようなものを書いて添削をしてもらうという記述もあった。

では下位群の記述はどうだったかというと…

記述が抽象的で具体例を伴わない

いといろな学習方法に言及はしているが

  • 時々~をする
  • 気が向いたときは~をする
  • ~をするように心がけたが、なかなか実行できなかった

というように、定期性・計画性がない表現も認められる。技能別では語彙とリスニングについてが多く、その他の記述は少ない。受験や試験勉強に関する記述が多く、学習目的がコミュケーションよりも成績と結びつけて考えてる可能性が高い。

自発性は少なく、目標が大きすぎる
自分で機会を求めるのではなく、強制的であることが多く、「いつか話せるようになりたい」など大きな抽象的目標はあるものの、短期・中期活動目標の具体的記述がない。「無理せず、確実な表現を使う」などのチャレンジ回避ともとれる記述がある。

【the courageに強制力を求めてくる方もいる、これは強制力を利用するために自分で自ら来ていると考えると、どちらかというと上位の“使わざるを得ない環境に身を置く”の方に近いように感じる。新しい表現へのチャレンジは自分もあまりしてないし、おすすめも特にしていなかったので、新しい気付きだった。】

さらりとながす
リスニングについてはバックグラウンドで英語を流すなど、おおまかに意味をとることを優先している記述が多く、それをどの段階で行っていたのかの記述はなかった。ディクテーションなどの“深く聞く”という記述は皆無。リーディングでも“深く読む”“分析的に読む”ことについての記述は3例のみで、その全てがこの読み方を「受験的で意味がなかった」と否定的。これは上位と対照的。

覚えない、まねない
基本構文などの暗記についての記述はなく、「外国人と話す」という漠然としたものが多い。発音についての記述はほぼない。興味がなく、真似をしていない。

リストで覚える、推測する
語彙の記述だけは相当数あり。特に「単語をリストに書き出して、意味を(順に)覚える」といった、リスト記憶に関する記述多い。「声に出す」音声化の記述は少ない。文中のわからない単語は推測するという記述があり、これは上位と同じだが、その後辞書で確認するという確認の記述がない。

まとめ

上位と下位では明確な違いがある。EFL環境だけど、使用機会増やす方略や文を利用した語彙記憶の方略は北米の研究とも共通している。スピーキングのための構文暗記や音読の反復、英借文などは日本のEFL環境で特に好まれる方略である可能性がある。

今回は上位といってもまだ改善の余地のある学生などが対象なので、まだこのデータだけで一般化は難しい。そこで、職業的にも活躍している英語学習成功者、いやうる「英語の達人」たちを被験者に、ここまでの記述を裏付けてみる。

第6章 達人たちとのインタビューが語るもの

達人とは

知識、資格試験の点数、運用、日本語があやしい、スピーキング、ライティング…

  1. 日本生まれ
  2. 12才以降に学習開始
  3. 留学経験はあっても時期的に遅く、豊富でない
  4. 家庭で英語の使用が日常的でない
  5. 今英語を使う仕事をしている

被験者は18名、平均年齢は40半ば、教員12名(大学10、高校2)、通訳3名、会社員2名、外交官1名

結果は、採用した学習法とその効果、特定の学習法使用した時期、学習を成功へ導いた要因などを自発的、詳細に語る。また、今後の学習者のためになれば、といういう発言も多く、学習方法が教えたり学んだりできるものだと考えているようだった。英語以外で、将棋や茶道、スポーツの達人も技能のコツや学習仮定を簡潔な言葉で語ることができるという研究もある(岡本(2002))前章の学生との共通点でもある。

寝ても覚めても
被験者のほぼ全員(17名)が集中型の学習形態を学習の一時期において体験している。学習初期から中期へと移行の時期に他のことに脇目も触れずにやる時期があった。しかも強制されてではなく、自ら望んでその状況を作った、そして「ただただ楽しかった」と発言。

継続と定期性
とにかく毎日、毎朝 という表現

使う機会を増やす
ESL環境ではないので、一人で英語を話したり、話せない時は書くなど、工夫している。
ある程度運用できるようになったら、少しハードル高いことにチャレンジ、更に、流暢だけでなく、正確に話せることも意識していた。
例文暗記、その活用練習に加えて同時に、実際に使う場面の増大に努めている。つまりアウトプットのためのリソースなしにやみくもに使用機会を増大しているのではない。【オンライン会話をやりまくても伸びないのがこれだ(伊地知)】

ここからスキル毎に見ていく

リスニング
深く聞く、広く聞く、では深く聞く方が多く触れられていた。集中してきく、スクリプトで確認する

リーディング
「日本語に訳さない」がとても多い、興味の分野の多読も。百科事典で背景知識を補うこともした。語彙は都度は調べずに、繰り返し出てきて文の意味をとるのに困るものだけ調べるという声が多かった。

スピーキング・ライティング
例文や表現・構文の徹底した暗記、パタン・プラクティスの実行も多くの達人に共通、大学生上級者とも共通。会話表現集を1冊覚える、そして声に出して、入れ替えて使う。しかし、こうした構文暗記やパタン・プラクティスはESL環境下では言及されることが少ないので、EFL環境下で有効な方略と考えられる。(伊地知:パタン・プラクティス練習帳を作りたいよ~!口を鍛えるよりもっと良いやつ)

発音
音・音律、つまり音だけでなくリズム・イントネーションを集中して聞いている。
多くの被験者が
・モデルとなる音・音律を繰り返し聞く
・自ら発音してモデルの音・音律に近づける努力をする
モデルと近いものができるようになると今度は
・自らの発音を録音し、正しい音・音律かどうかをチェックする
・正しくなければ矯正する
これも大学生と共通する

そして、この矯正には音声学的な分析の知識が役立ったという声が多く、口の構え、舌の動かし方、ストレスと音の長さ、アクセントのつけ方を意識的に練習している。

発音を母語話者に近づけたいという欲求、単音だけでなく音律のトレーニングの有無、これらが発音を良くするという研究とも整合性がある。

音読や音声化推奨も多い

語彙
「文章まるごと」&「リスト化」
学習中期くらいまでは対象言語を文章まるごと覚え、関連語彙や類義語・反対語も覚えるという方法、進むうちに職業的に必要な特定分野のものをリスト化して覚える

作文は借り物から上達
役立ちそうな表現や気に入った表現を文章ごと利用する借文の方略を大学生異常に重視。書くためにたくさん読んだという人もいる。

文法をとても重視
覚えた文をあとから分析するのに役立つ、いつまでもペラペラではダメで、一歩うえに行くために情報を正確に、誤り無く話すかを意識。学校で強制されたのがきっかけだけど、それで良かった。など
EFLでは文法が重要

第8章 理論や実証データとの整合性

日本人の成人学習成功者たちには一定の方略があり、一部北米の研究と異なることもわかったが、これはあくまでも結果の羅列。

メタ認知

ちょっと難しい環境に飛び込む
インプットについてはインプット仮説でi+1への挑戦が大切と言われるが、使う機会を増やすというのは話す書くという生産的な方にあてはまる記述が多い

使用機会が多いと「自然さ」が増す
独り言、シュミレーション、集中的に、毎日、これらは使用機会増大と言える

一段階上の言語使用に自分を追い込むというのは
カナダのM.swainの「アウトプット仮説」学習者が自分の受信的能力と生産的能力のギャップに気付き、現状よりも一段上の、より正確な言語使用を心がけるよう自分を追い込むことが必要と言っている。追い込まれることで知っていることを使えるようにする役割を果たしている。

寝ても覚めてもという集中的学習について、学習心理学の研究によると、技能習得の場合、分散的学習の方が集中的学習よりも効果が高く、理由は疲労や飽きの解消が容易だから。ただ、ここでの寝ても覚めてもというのは1技能に絞るということではないので、集中的学習の定義が異なる。

リスニング
一字一句をゆるがせずに聞くという特徴について、深く聞くことで音変化を自分の中でデータペース化していると考えられる。聞き取りは音変化の法則を知識として教えて、そのうえで実際の音を聞くことが最も効果的とわかっている。ディクテーションも、埋める語数を示したうえでやると、データベース化がより促進されて効果的。注意深く聞くために映像が邪魔ということもある。これは人間の注意資源の量は一定で、音よりも文字や映像を優先する傾向にあるため。学習初期では映像を避ける方が良い。(伊地知:ドラマダメやん→決まった箇所を何回もであれば良い)

深く聞くはデータベース化には役立つが、意味を捉えることが疎かになる。ディクテーション後に内容を聞いても答えられない人が多いことからもわかる。なので、途中からは広く聞くという変換が必要。(伊地知:どのタイミングでの移行が良いのだろう?)

音声化(音・リズム・意味を捉えた音読など)
これはリーディングやスピーキングなど個別スキルだけでなく、言語基盤を作るために有効と考えられる。心理学者Baddeleyらは短期記憶と長期記憶という記憶システムのうち、短期記憶の説明に“ワーキングメモリー(作業記憶)”という概念を導入。ワーキングメモリーは中央実行系と従属システムで成り立ち、従属システムは音韻ループと視空間スケッチパッドから構成されている。音韻ループは音声言語に関する情報を処理するもので、反復で長期記憶に送られる。文字情報も音声化されて(声に出さなくても)音韻ループに転送される。つまり、音声化は人間の言語情報処理の基盤にあり、この過程が自動化(考えなくてもできる)につながる。

音読はESLではあまり言及されず、EFLで有効とされているのは多分ESLではアウトプット機会が多いからと思われる。あとは欧米成人が情報収集のためにリーディング重視するのもあるかも。

基本例文の徹底した暗記と反復

Stimulus(刺激)とResponese(反応)のSR連合形成を主眼とした行動主義心理学に基盤を置くもので、1940~50年代Audio-Lingual Habit(ALH)アプローチの中心として米国の日本語教育でかなりの成果を生んだが、暗記や反復は意味や文脈無視につながったり、生成文法(全員生まれつき文法のもとみたいなのを持ってるっていうようなやつ)の流れに反してたり、学習動機が低い人には向かないという理由で追いやられた。でもこの時代遅れと思われる方略を達人たちがやってるのはなぜかと考えると、累積的とゲシュタルト的があるが、どっちにしろ大量反復が必要だから。自動化させるのには良い。この反復練習だけにとどまらないというバランスも大切。

「流暢さ」「正確さ」のトレード・オフ

成功者の多くが先に流暢さを重視し、その後正確さを改めて重視している。人間の注意資源の総量には限りがあり、流暢さを重視すると正確さが低下し、正確さを重視すると流暢さに影響がでる。Skehan(1998)どちらかを自動化(考えなくてもできるれレベルまで高めることを)してしまえば、次に他方を伸ばすことが可能。これを直感的にわかってるので、ある段階でシフトすると考えられる。また、流暢さを先に優先すると情報量がある程度保持されて、満足感もあるので先に流暢さを優先していると思われる。いずれにしてもこの重視するもののシフトが大切。

発音・音律への強いこだわり

音・リズムを真似ることと、シャドーイングについて多数の言及があった。「関心・こだわり」が最も重要なので、以下のことで発音は良くなる

  1. 発音・音律のルールに関心をもたせる
  2. 実際の発音方法を明示的に示す
  3. 十分にドリル的練習をさせる
  4. 問題点を必要に応じて補正していく

多重経路とてがかりの大切さ

単語暗記の方法として、北米の研究では

  1. 母語との類似性を利用して覚える
  2. すでに知っている(言語的)情報と結びつけて覚える
  3. 音や色といったイメージを利用して覚える
  4. 単語を分解して語幹や接辞の意味を利用して覚える
  5. フラッシュカードを利用する
  6. 場面・状況と結びつける
  7. リズムを取り、体の動きを利用して覚える
  8. 何度も書いて覚える
  9. 韻を踏むように覚える

などが挙げられている。

母語との類似性や単語の分解は、母語と類似性のある言語を学ぶ時には有効
使って覚える、場面と紐付けるといのもEFL環境下では難しい

学習成功者は以下のことをしていて、北米研究と結構違う

  1. 単語や慣用句は例文中に埋め込んで、その文ごと覚える(文脈化)
  2. 新出語の発音を必ず確認して、何度も発音しながら覚える(音声化)
  3. 何度も書くことで覚える(身体化)
  4. 関連語をグループにして覚える(意味のネットワーク化)
  5. リスト形式で基礎語彙を覚える(リスト化)
  6. リスト形式で特定分野の語彙を覚える(リスト化)

これらの方略は併用もされる。また、1~4は○○化というキーワードに置き換えられるが、いずれも複数経路で刺激を入れることが記憶とその再生に貢献するというPaivio(1971,1986)らが提唱する「記憶の二重符号化理論」に沿っている。また、文脈や関連語などの手がかりを提供することで記憶検索が促進される考え方も認知心理学の多くの研究で立証されている。

5と6は一定レベルまで、学習を軌道に乗せようとする初級学習者と、専門的な語彙の習得を行う上級学習者の場合に限られる。中級者の場合は文脈化をしないと悪影響が出る可能性もある。(伊地知:特に中国語は最初はリスト化しないと話にならない、けどHSK6級レベルの場合は文脈化でも良さそう。でも経験上はそれも好き嫌いが結構あるような気がするなあ)

意識化の必要性

形式やルールへの意識が大切
インプットだけでは不十分で、インプットしたものの中にある形式や法則性に気づくことが大切。気づくことで意識が向けられ、分析や理解が生じ、中間言語システムの中に組み込まれていく。

気づくためには高頻度で、知覚的に目立ち、材料の提示の仕方に工夫をして、タスクの難易度や種類、教授法の工夫などが必要。

これはおまけ

セリンカーは、以下のように、学習者は、母語とも目標言語とも異なる、別個の言語体系を持つとの仮説を提唱し、その別個の言語体系を「中間言語」と呼びました。

‘[…]one would be completely justified in hypothesizing, perhaps even compelled to hypothesize, the existence of a separate linguistic system based on the observable output which results from a learner’s attempted production’ (Selinker 1972, p.214)’ 

学習者が目標言語の規範を産出しようと試みた結果として、実際に観察可能な形でアウトプットされたものに基くと、別個の言語体系というものが存在するとの仮説を立てられるのではないか。というより、むしろそういった仮説を立てざるを得ないのではないか。

第9章 成功につながる学習方法とは

個人差と共通性

成功者の学習スタイルの多様性を考えると個人差があると言えるが、一定の共通の範囲、あるいはストックの中で個々人が好みに合わせて選択をしていると考えられる。また、ESL、EFl、地理的・文化的・政治的背景なども影響する。

メタ認知方略では

使用機会・使用条件
受信・発信ともにどの段階でも対象言語の使用機会は最大限に増やす
学習中期以降は、一段高いレベルで対象言語を使う必要がある場面・タスクに自ら追い込む

大量のインプット後にそれらをアウトプットに回し、慣れたら困難と思られるものに挑戦すると成功しやすい。インプット・アウトプットは必ずしも現実場面でなくても構文集などでも良いが、バランスを取りながら、初期後半からは徐々に現実場面が多くなるようにしないといけない。

時間についてはどの段階でも定期的に学習し、中期では集中的に学習が必要

学習そのものやコミュニケーション活動自体を楽しむ

短期の技術的な目標を持って学習をすすめる(シャドーイングなど)

学習方法や学習過程の特性を理解する

リスニングとリーディング

リスニング

初期から中期:細部まで深く細かく聞く(ディクテーション、スクリプト)
中期以降:意味内容・情報に着目して広く聞く(自動化)

(伊地知:この初期段階で「たくさん色々聞くと良いよ」というのは結構無責任になりそう)

リーディング

初期から中期:細部にこだわり分析的に読む(文法・構文のデータベース化)
中期から後期:意味内容に重点をおきながら大量に読む(自動化)

スピーキングと発音・韻律

ボキャブラリー

ライティングと文法

外国語学習に王道はあるのか